絵画で見るギリシャ神話

ギリシャ神話の世界を絵画を通して見ていきます

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アフロディーテ(6):妖しい母、アフロディーテ

前回のロットの絵のことをお話したとき、ある方からビーナス奥様とキューピッドが近親相関関係で妖しいとのお話を伺いました。それは確かに、あり得ます。ビーナス奥様、やっちゃいますよ。近親相姦など、なーんでもありません。ビーナス奥様にかかっちゃ。
なんでも、キューピッドは愛人アルスとの間に生まれたんですが、なぜかぜーんぜん成長しない。子供に羽根が生えた格好で、あちこち矢を放ってはいたずらもする。そこでナントカという神様にキューピッドが成長するようにと頼んだそうです。そんときも、やっぱ、その頼んだ神と寝てますよ、多分。

それはそれで良いんですが(どこが?笑)、成長を始めて、青年期に達したキューピッド君、イッチョ前に恋をしたんですよ。相手は美少女。プシュケ(Psyche)という女の子。で、ビーナス奥様、なぜか、異様に息子のキューピッドとプシュケの仲の邪魔をするんです。いいじゃないの、んなことしなくたってと思うんですがね。これは、アレです、肉欲がらみの嫉妬心が出てますよ。多分。

で、実際、ビーナス奥様とキューピッドのアヤシイ関係を示唆する証拠画像が、これ。

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アグノロ・ブロンズィーノ 1545年 「ビーナス、クピデ、そして時の神(淫楽のアレゴリー)」

キューピッドはもはや少年後期に入ってます。で、母親であるビーナス奥様のオッパイを触っています。指の間に乳首を挟んでいます。コリコリさせているかも。
第一、二人のアヤシイ目つきは、これ、なななんですかあ・・・? ったく、ビーナス奥様ったら、すごいんだから・・・

アフロディーテ(5):魔法の帯

前回、ボティチェリの絵のビーナス奥様の服にエロスを感じるなどと意味深なことをほざいていました。今回はそれについて(笑)。問題の服はこれでした。

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何も変わったことがないと思うかも知れません。が、エロの道に入って早何十年のアタクシには見えてしまうのです!

話が変わって、今日の絵。よーっ、出ましたビーナス奥様(着衣ナシ)!

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ロレンツォ・ロット 「ビーナスとキューピッド」

変わった絵です。キューピッド、ギリシャ語ではエロス坊ちゃん! なんとオシッコ引っ掛けちゃってますよ、奥様に。ゴールデンシャワーの世界ですか? こんな子供のときから、ずいぶんフェチの世界にのめりこんじゃって、だいじょーぶですかあ?

そんな心配した僕ですが、別に心配するほどのことではない模様です。 子供の立ちションは、この絵が描かれた当時「富が溢れる」を意味することだったそうです。オトナの男が似たようなことをしちゃうと大変なことになってしまいますが。

ビーナス奥様は、頭にかぶっている布から花嫁さんに扮してます。結婚祝に描かれた絵だそうです。他にも、手でささげているリースとか、右側にぶら下がっている貝とかいろいろ意味があるらしいですが、調べたけど忘れました。

あ、ビーナス奥様の腰の辺りに転がっている花はバラの花。バラの花が赤くなってしまったのはビーナス奥様のしわざです。これも(いつになるか分からないけど)そのうちご説明します。

で、で、で! 今日、この絵でムラムラとアタクシが興奮したところ。それは、奥様の胸の下に見える、腹巻のようなものです。ビーナス奥様ったら、いっつもハダカでいらっしゃるから、さぞかし、お腹をこわされることが多くって腹巻ご愛用なのね!
 
って、そういうわけじゃなさそうです。腹巻にしては、位置が上すぎます。むしろ、胸を持ち上げるような感じ。 これは実は魔法の帯なのです! ケストス(cestus)という名前だそうです。ビーナス奥様専用の持ち物です。どのような効力があるかと言うと、これを身につけると、その身につけた人の魅力を何倍にもアップして、誰もが虜になってしまうそうです。どーりで、ビーナス奥様、モテモテだと思ったよ。

さすがにお休みになるときは、さすがにこのケストスも邪魔になるのか、次の絵ではエロ、エロ、エロスお坊ちゃまに手伝わせてケストス帯を外してもらってます。

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サー・ジョシュア・レイノルズ 1788 「ビーナスの帯を解くキューピッド」

かわいらしいビーナス奥様ですね。眠たそうです。

この「誰もが私の虜よ」って魔法の帯ケストスも、時には人に貸してあげたりします。トロイ戦争当時、神々の大ボスゼウスの正妻であるヘラ奥様が借りました。 このヘラ奥様、なかなかのジェラシー奥様です。って言うか、大ボス、ゼウスが節操なくあっちこっちに女を作るのが原因なんですが。

それはそれとして、そのトロイ戦争当時、ゼウスにヨケーな事をして欲しくないと思ったヘラ奥様、ゼウスの気を戦局からそらすため、このケストス帯をまといました。たちまちゼウスも古女房に惚れ直し状態。そのありさまが、次の絵。

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アニバール・カラッチ 1600 「ユノとジュピター」

ゼウス、ウットリしてます。ヘラ奥様、ケストス着けて胸を見せつけるようにしてます。いや、なんだか、リボン状に結んで、「私を好きにして!」って我が身を捧げているようにも見える。 花柄のスカーフかなんかで、こんな格好で言い寄られたら、あたしゃ、メロメロになりそうですよ。なかなかエロいっす。

で、この絵なんですよ。これを見たとき、ケストスっていうのは女性の乳房を下から持ち上げるようにして、その豊かさを強調する衣装なのではないかと。ワンダーカップブラのアイデアは、すでにギリシャの時代からあったのじゃ?

翻って、冒頭のボティチェリの絵。

服は着てますが、その胸の周りの刺繍の帯状のもの。これはケストスじゃないのかって思った次第です。乳房の輪郭を強調してるもん。深読みしすぎですか?

先に「私を好きにして!」って身を捧げるようなことを書きました。そこまで行くと、次のような写真への連想は、あっという間ですよね。これでギリシャと我が国がエロ路線でつながります。

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アフロディーテ(4):三人娘

さて、前の書き込みのボティチェリの「ビーナスの誕生」。その絵の左から息を吹きかけている西風の神、ゼファという名だと書きましたが、これは英語読みで(Zephyr)、ギリシャ語でゼフュロスだそうです。抱っこしているニンフはクロリスと言う名前。

ギリシャの地理的位置からすると、西風とは地中海の暖かい空気を運ぶ穏やかな風でしょうね。日本なら南風だろうけど。

この穏やかな西風の神が一目惚れしてかっさらってきたクロリスは、花を支配する力を与えられ、花の女神のフローラになります。そこの変身そのものが描かれているのが、次のボティチェリの絵。今度は画面右側にそれがあります。
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ボティチェリ 1477-8年 「春(プリマべーラ)」

右端の緑色の肌の人が西風神。さらってきたクロリスを着地させます。 すると、花のドレスを着た花の女神(右から3番目)に変身しました。 周りに花びらが散ってます。この人が歩くとそうなるらしい。お掃除が大変です。

で、画面真中で首をかしげてたたずんでいるのが、ビーナス奥様。 今日は服を着てます。少し残念。でも、この服にも、妙なエロスを感じてしまうアタクシです。その理由は、後日。 今日の主人公は、ビーナス奥様ではなく、その左側で踊っている三人娘です。例えば、次の絵。
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サー・バーン・ジョーンズ 1885年 「三美神」

彼女たち、三美神(Three Graces)と呼ばれるらしいです。ギリシャ語ではカリスたち(複数形カリテスCharities)と呼ばれてます。美、優雅、豊穣、芸術的センスなどなどの女神だそうです。神々の大ボス、ゼウスの娘。

母親はいろいろ説があって分かりません。(普通は、逆で、お母さんは分かるけどお父さんが分からないんだけどね)。ビーナス奥様お付きの従者というお仕事。

図柄的には、
・腕を組みながら輪になる、裸三人娘
・真中の一人は後姿
という形で、いろんな画家が作品を残してます。

配列には順番があって、左から、エウプロシュネ(Euphrosyne)、タレイア(Thalia)、アグライア(Aglaea)という名前。三人がそれぞれ何を表すかは、いろんなことが言われてますが、左から、「愛欲」-「純潔」-「美」と言う解釈があります。お尻を見せている人が「純潔・貞節」を示すというのは、意見が一致している模様。やっぱり、大事なところはひとまえには晒せません。

女性の身体的な「美」しさと、心に秘めた「情欲」。その二つを精神的な美としての「純潔」さが間を取り持ち、バランスを保つ。そのような女性が、サイコーなんだよってことっすかね。

ラテン語由来のグレイス(grace)という言葉は、身体・精神の両方の美しさを備えたときに使える言葉らしいっす。 それほどのバランス統制力があるとなると、回りの人をまとめ上げる力もすごいわけで、ギリシャ語の方のカリスからカリスマ(charisma)という語が生まれました。 バランスという点では次のラファエロの絵がものすごい安定感。

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ラファエロ 1504年 「三美神」

ふくよかな女性がお好きな人には、次のルーベンスがお勧め。

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ルーベンス 1638年 「三美神」

ところで、一番上のボティチェリ「春・プリマべーラ」。ビーナス奥様の頭上にキューピッド(こいつはビーナス奥様と愛人マルスの間にできた子供)が目隠しをして、矢で狙っています。この矢(金の矢の場合)で射抜かれると、最初に目にした人が大好きになってしまいます。狙われているのは、三美神の真中の娘。「純潔」娘です。あーあ。彼女は誰を見ているのでしょう? 視線的には画面の外かなあ・・・?矢が放たれた瞬間、その男に惚れちゃって「純潔」失っちゃうのかな・・・。それとも、見ているのは右端の男か?

彼はヘルメス(英語では、マーキュリー)っていうヤツです。頭が切れるヤツです。なかなか好青年に描かれてますね。

ちなみに、高級ブランドバッグのエルメスとは、このヘルメス(商売・旅行の神様でもある)からとった名前。まさか、真中「純潔」娘、高級ブランド品に夢中になるってか(苦笑)。


アフロディーテ(3):スペルマクイーン:アフロディーテ

さて、今回の絵はこれです。

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lexandre Cabanel 1863 「ビーナスの誕生」

きれいでセクシーな絵だと思います。カバネルと言う人の絵。流派とかまだまだ僕には分かりません。陸地がないのに、どうやってこのアフロディーテは波の上に乗ってられるのか?とか疑問が湧きますが(笑)。貝殻を無くしてしまったところに、その不自然さの原因があるのかなあ・・・。

それはそれとして、前回も書きましたが、アフロディーテはウラノスの切断されたペニスから出た「泡(=スペルマ)」から生まれたそうです。いわば、生まれたときから白濁まみれのスペルマ・クイーンだったのです(笑)。それを思うと、この絵も一段とエロっぽさが増すと言うか・・・

ですが、そういう解釈だけでアフロディーテを見てはいけないらしいです。いわく、アフロディーテには次のように両面性があると。

(1)神聖な愛を具現した天上の女神
(2)淫らな欲情を具現した地上の女

もちろん僕の目に入るのは(2)のアフロディーテだけです(苦笑)。

上のカバネルの絵もどっちかと言うと、(2)的ですよ。 前回のブーグローという人の絵も。 それに対して、(1)的なアフロディーテ像の傑作が、やはり次の絵。もういちど繰り返し掲載します。これだと、ちゃんと恥らって隠そうとしているもん(笑)

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ボティチェリ 1485年 「ビーナスの誕生」

画面左でふ~っと息をかけてアフロディーテを岸に辿りつけさせているのが西風の神のゼファーという神。その神に引っ付いているかわいこちゃんが、なんとかというニンフで、後にフローラという花の神になる人。 同じくボティチェリのもう一つの有名な絵「春:プリマべーラ」の右側にこの絵の続きが見られるらしいです。

このボティチェリの「ビーナスの誕生」では、ビーナスの向かって右側の腕のつき具合が変だ!という話があるそうです。 確かに、よく見てみると脱臼しているみたい。

そこで仮説ですが、ボティチェリは、本当はあそこを隠すつもりなんてなくって、モロ出しの絵を描きたかったんだけど、さすがに気が引けて、修正してしまった、というのは、どーでしょーか?

やっぱりアフロディーテを見るときの基本中の基本は(2)の立場なのであって、(1)の立場は、後から取って付けたものなんです。多分(笑)

アフロディーテ(2):アフロディーテの誕生

この絵は、アフロディーテ&ヘパイストス夫婦のうちアフロディーテ奥様の誕生の様子を描いた物です。
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ブーグロー 「ビーナスの誕生」 Bougreau "The Birth of Venus"

いきなり話しがずれますが、Mars and Venusで検索していたら、"Men are from Mars, women from Venus"と言うフレーズが山ほど出てきました。そういう本がアメリカでベストセラーになっていたようです。多分、翻訳も出ていると思います。「男は火星出身、女は金星出身」。だから基本的にコミュニケーションをとるよう努力しないと破綻するよって内容らしい。これも神話がらみでしょうね。火星=マーズ=マルス(ヘルメット男)、金星=ビーナス(女)ということで。

ビーナス誕生というと、やはり、こちらのお方が一番先に出てくると思います。
botticelli02.jpg

ですが、これじゃあ、あんまりポピュラーすぎるのでやめました。やっぱ、もっとエロっぽいのでないと・・・(笑)。というわけで、上記のようにブーグローという人の絵でいきました。アカデミック派とか何とかいう一派に属する画風らしいです。

で、なぜアフロディーテが海で生まれたのかということですが・・・。まず、ギリシャ神話では、世界の一番最初はカオスだったと。で、そのカオスから天空の神のウラノスという男と大地の神のガイアという女が出てきた。

当然、二人はアレを始めるわけです。天地がくっついて、ヤリ始めます。子供がどんどんできます。ですが、ここで問題なのは男のウラノスでした。

ヤリすぎなんです。ハメまくり状態。で、母なる大地のガイアの胎内にはどんどん子供ができてくる。ですが、ひとつ大問題が出てくる。その子供に光が当たると父親のウラノスはその子に殺されるという予言があったらしい。そこでウラノスお父さん、光を当てなきゃいいんだろうってことで、お母さんのガイアから離れようとしない。永遠にくっつきっぱなしになるわけです。たとえガイアが妊娠しても、止めない。ペニスで栓をしているようなもの(笑)。

「もう耐えられないわ!」

まあ当然でしょうね。そう思ったガイアは、一番新しい子供のクロノスに言いました。

「お父さんを何とかしてちょうだい!」

で、クロノスはやっちゃったんですよ。大きな鎌で、ざくっとお父さんのおチンチンを切り落としちゃったんです。ちなみにクロノスのイメージは、死神に近いと考えていいと思います。切れ味が良さそうな大きな鎌を持っています。で、その鎌で「もう、ええかげんにせえ!」とばかりざっくりとお父さんのペニスを切り落としちゃいました。痛そう~~~。

なにはともあれ、これで、天(ウラノス)と地(ガイア)が切断されて世界ができました。

で、何の話しをしていたかというとアフロディーテです。この切り落とされたウラノスのペニスが海に落ち、白濁の泡が生じ、その中から、この美女は生まれたのです。アフロディーテは「泡から生まれた」という意味らしいです。海からぼわぼわ~っとこんな色っぽい女性が出てきたんですね(笑)。

アフロディーテは西風の神のゼファー(絵の右側でホラ貝を吹いているヤツ)に吹かれてギリシャに流れ着き、季節の女神に服を着せてもらって、その地に住み始めます(これはボティチェリの絵が忠実に表している模様)。

ゼファーの前に寄り添っているのはゼファーがかっさらってきたニンフで、後に神格化され、花の神様フローラになります。
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