絵画で見るギリシャ神話

ギリシャ神話の世界を絵画を通して見ていきます

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ゼウス(1):ゼウス vs. メティス(アテナ誕生)

さて、このコーナーでは、お盛んなゼウスの女性遍歴の数々をおさらいしたいと思います。目的は、女性とヤルためにゼウスがどんな手管を使ったか。その目録を作り、それを参考にして僕も楽しい人生を送ろうとするものです。冗談です。体が持ちましぇん。

***

さて、ゼウスの正妻はヘラですが、最初のお相手というか結婚相手はヘラではありませんでした。メティスという巨人族の一人でした。(と、ここでメティスの画像を貼れると最高なんだが、見つからない:泣)

メティスというのは、海(地中海)を神人化したオケアノス(Oceanus)の娘らしいです。「海洋」のoceanという単語の元になった神です。

メティスは語義的に「知恵」とか「思慮」とかの意味で頭がいい女神です。すべての意味で聡明です。さすがゼウスにふさわしい相手だったわけです。知恵や思慮が最高レベルの女性とのセックスというのも、いろいろな技を考案して楽しませてもらえそうで、あーこーがーれーるー!

ところが1つ問題がありました。予言です。メティスとの間に男児が生まれると、その父親よりも能力的に上回り、父の座を奪うことになるだろうとの予言があったのです。そりゃそうだ。最高レベルの知能がある女なわけだから、そこから男児が生まれたら、父親を上回るのは当然です。

でも、そこはそれ、ゼウスは女好きなので、後先考えずにメティスとやっちゃうわけです。で、ある日、メティスが妊娠したと知らされる。あー、ゼウス、涙目。

このとき取ったゼウスの処置の方法が笑えます。なんとメティスを食べちゃったのでした。 どうやって食べたかなんて知りません。が、ともかく食っちゃった。で、どうなったかと言うと、ゼウスは、あらゆる意味で聡明なメティスを食べたわけで、結果、ゼウスは知恵の点でも最高レベルの能力を獲得したのでした。文字通り、全能の神!

そーきたか(笑)。

ここから1つの教訓が得られますね。素晴らしい女性を相手にして、食べちゃえば、その女性が持っていた能力を獲得できる、と。

ちなみに、僕も、一応、性生活には色々バリエーションをつけてて、時々、「私を食べて」と誘われて食べちゃったりするんだけど、なんだか、最近、ボケが激しくなってきているのでした。変だな・・・。こっちも、たまに、食べさせちゃったりするんだけど、向こうの方も、大ボケかますようになってるし。おかしいなあ・・・。

***

ともかく、月日がたち、食べられたメティスは出産の時期になりました(食べられちゃっても、神一族である以上、死なないのですね)。ゼウスは、もちろん男なわけで普通の分娩はできません。さて生まれてくる新生児はどこから出てくればよいのでしょう?

やっぱ、(ゼウスに飲み込まれてしまってるけど)頭脳明晰な母親の子供です。頭にいたのでしょう。出産に際して、ゼウスの頭部を攻略します。

ゼウスは猛烈な頭痛に悩まされました。分娩時の苦痛は、僕には良く分からないのですが、大変な苦痛だというのは想像できます。ゼウスは、その分娩の苦痛を頭部に食らったのでした。こいつはたまらないでしょうね。

堪えきれなくなったゼウスは、タイタン族のプロメテウスという神(あるいは、話によると、我らがヘパイストスかもしれない)に頼んで頭を斧でかち割ってもらいます。

そこでイキナリ出てきたのが、次の、頭かち割り娘! アテナです。どどーん!
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Gustav Klimt 1898 Pallas Athene

おねえちゃーん、こわいよ~。生まれたときから甲冑に身を包みこわおもてで睨みつけてるよー。胸元で「あっかんべー」してるの、メドゥサだよー。じっと見ちゃダメだよー。体、固まっちゃうからねー。

母親自体が頭いいし、頭から生まれたってことで、アテナは頭脳明晰です。美術・工芸・芸術・科学・(頭脳的)戦いの神です。英語にbrainchildって言葉(頭脳の産物、考案物、発想)があるけど、まさにアテナのイメージ。その頭脳、俺にも分けてくれ~!

アテナはこの絵のタイトルのように「パラス・アテナ」と「パラス」という言葉をつけて呼ばれることがあります。なんでも、アテナが幼い頃、遊び友達にパラスというアテナと同じくらい武術に優れたものがいたそうです。そのパラスとアテナが一緒に戦争ごっこ風のケンカをしていたときでした。アテナが一撃を喰らいそうになり、それを見たゼウスがアテナに助け舟を出したそうです。でも、その結果、パラスがアテナの反撃にあって死んでしまったとのこと。

アテナお嬢たん、遊び友達を亡くした悲しみに、泣き濡れました。以来、自分の名前に、この名を冠するようになったとか。親が子供のけんかに口を出すなってことでしょうかね?

アテナはローマ神話ではミネルバと呼ばれてます。従えている動物はふくろう。ふくろうは英語圏では賢い人のイメージが定着してます。アメリカのアニメなどで先生役の動物としてふくろうさんが出てきますね。

アフロディーテ(9):お化粧奥様

この前、高橋裕子という人が書いた『世紀末の赤毛同盟』(岩波書店)という本を読みました。髪の毛の色や形の象徴的意味を中心として、絵画に出てくる女性像に隠れている意味をいろいろと論じていて面白かったです。

で、その中の一章に、「化粧する女たち」というのがあって、「化粧絵」についての論考があってほほーっと唸ったのでした。この「化粧絵」の分野でもビーナス奥様は大活躍で、盛んにお化粧姿を覗き見されています。例えば、次。
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Boucher 1751 The Toilet of Venus

先の『赤毛同盟』の本によると、西洋においては基本的に化粧は「悪」だったとのこと。お化粧で化けるとは、罪深い本性を表面的に隠すだけであってよからぬことなのだと。そう言った意見が繰り返し出てくる。

もちろん、そのような化粧否定論が繰り返し出てくるということは、逆にいえば、そんだけ化粧が流行っていたということなんですが、でも、建前としては依然として化粧=悪。
そして、そこからいろいろな象徴的イメージが派生してくるようです。まずは、化粧=悪を行う女性は「まっとうでない」女性というイメージ。まっとうでないと言うことは、つまり、娼婦とかそういった女性たちだというイメージです。

ビーナスには精神的な愛の至高性を表す「天上のビーナス」と、俗世間的愛欲を象徴した「地上のビーナス」の両面から捉えられていたらしいと前に書きましたが、そこからすると、お化粧するビーナス奥様の絵は、明らかに、「地上のビーナス」の方でした。

さらに、別のイメージとして、そのような本来プライベートであるはずの美のメンテナンス作業であるお化粧を見ている人物の視点が加わると、なお一層、エロっぽさが暗示されるようになってきます。・・・その・・・何と言うか・・・一夜共に過ごした後、「よかったよー! 最高だったよー! 僕は幸せだよー!」と思いながらお化粧修復作業に従事している女性を見ている男性の視点(なお、この段落の内容は上掲本にはないです。僕の印象です)。
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Titan A Woman at her Toilet

それにしてもお化粧のことは「トイレット」と言うんですね。したがって、「化粧絵」=「トイレ中の女性の絵」です。ゆえに今で言えば「女子トイレ盗撮モノ」に匹敵します。そう言えば「水浴画」も多いですが、あれは「女湯盗撮モノ」。

ともあれ、特別な関係になった男女の間ならともかく、普通の場合、トイレ(=お化粧)する場所は不可侵領域です。神聖な場所です。変身の儀式を行う場所です。ゆえに、男性から「トイレが長い!」とか「なにかとすぐにトイレに行く!」と文句を言われても、神聖な儀式を重んじる女性には全然こたえていないのでしょう。

もう2つ化粧画を。これらは少し清楚な感じ。
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John William Godward 1900 The toilet

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Albert Moore 1886 The Toilet

ビーナス奥様の場合、さすが美の女神だけあってお化粧メンテナンス作業は一人ではこなしきれません。前に触れた三美神にも手伝ってもらいます。うーん、さすが優雅なご身分! 高級エステ感覚!
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Guido Reni 1620 The Toilet of Venus

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Simon Vouet 1616 The Toilet of Venus

ビーナスじゃないけど、植民地時代ともなると御付きの人も黒人召使に代わります。
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Frederic Bazille 1870 La Toilette

上述の『赤毛同盟』でも指摘されていましたが、化粧絵では鏡がよく出てきます。化粧絵とは言え、化粧というのは化けている過程なのでなかなか絵になりにくく、むしろ化粧が完成した時点で鏡を覗き込んで確認しているところが絵になりやすいとのこと。しかし、この「鏡」というのが単なる小道具ではなくて、別の象徴的意味を持ったものとなってくるらしいのです。

つまり「鏡」に映し出された姿というものは、実体を欠き、次々と移ろっていくものであるという意味合いです。移ろっていくものである以上、鏡に美が映っていても、その美も束の間のものですぐに衰えてしまうであろう。つまり鏡は「無常」(ヴァニタス)を表すものとなっていきます。カラダがきれいでもすぐに衰えてしまうものだし、官能的な愛もむなしいものだよってメッセージ。僕の頭髪のことを言ってるのでしょうか? ああ、はかない。
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Rubens 1615 Venus at a Mirror

その意味で、次のヴェラスケスの絵で、鏡の中のビーナスの顔がボヤケているのが意味深。
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Valazques The Toilette of Venus

そして、次のティツィアーノの絵も。
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Titan 1555 Venus at her Toilet

この絵では鏡の中からこっちを見ているビーナスの視線にちょっとドキッとします。

確かに、鏡に映った美は移ろいやすくはかないものかもしれない。だが、このティツィアーノの絵のビーナスは、その圧倒的に豊満な女性美で、それを超越してしまっているような気がします。

「鏡の中の美が移ろいやすいものであるとして、それが何の意味があるの? いま現在、この女らしさを誇る容姿に自分は絶対の自信を持っているのよ。それが私の中ではリアルなの!!」 

そんなメッセージが感じられます。強いメッセージです。同じメッセージが上のルーベンスにもありそう。

さて、そのように開き直って圧倒的に女性らしい美を誇示された男性はどうなるでしょうか? 少し弱気な男なら、こりゃあもう、圧倒されてしまって、逆に、畏怖の対象、信仰の対象にすらなっていくと思われます。ああ~、その美しさ! 自信に満ちた生命力! すべてを超越する存在! 誰もかも君にひれ伏すだろうよ~! そして僕を好きに使って~! 僕を下僕にして~!

マゾの語源ともなったザッヘル・マゾッホという作家の代表作に『毛皮を着たビーナス』というのがあります。(大昔に書いた短い記事だけど、参考までにここ)。マゾというのは、最初は男性について使われたわけですね。で、この小説の冒頭に、上のティツィアーノのお化粧ビーナスの絵のことが出てくるのでした。この絵はこの小説の発想源となったと言ってよいと思います。

主人公のマゾ男性は、この絵を見てそこに理想の女性を見出します。「(男に)情熱の炎を掻きたてながら、自分は凍えている愛と美の残酷な女神」の存在を感じる。そしてその後、この主人公は、現実にそのような女神の化身であるワンダという未亡人と知り合いになります。そして、いつしか、彼女の虜となり、彼女に奉仕することにこの上ない喜びを感じるようになっていくのでした。ああ、なんとも…。


アフロディーテ(8):武装解除

さて、今回の絵画はボティチェリです。でもあんま好きな絵じゃありません。だって裸になってるのが男だけなんだもん。一応、この絵ですが。
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ボティチェリ 1480「ビーナスとマース」

前にも書いたことですが、アレス(=マース)は神々の嫌われ者的、争いと血と戦いを好む戦争の神。ではあるが、なぜか、アフロディーテ(=ビーナス)は彼を愛人にします。我等がヘパイストス君がいるにもかかわらず。もー、どーして、こんな乱暴者とくっついちゃうんでしょうね。やっぱ、カラダでしょうか。

今回のこの絵、明らかに、二人ヤッタ後ですね(笑)。ぐったりしたアレス君の姿は確かに同感すべきところがあります(笑)。

でも、驚くべきところは、アフロディーテ奥様の覚めた表情!!(こわ~い)。ちょっと軽蔑の視線がありますよ。「もー、あと3回はイカせてほしかったわ!ったくう!」と思っているのでしょうか? それとも「男ってちょろいもんよね」でしょうか? ともあれ、アレス君の商売道具の武器・武具の類は、寝ている隙にせっせか背後で運び去られてしまってます。愛欲で戦争回避ということでしょうか? それはそれで平和的なので僕は何も文句はありません。

うちのお話で、よく男性性器をtoolと表現する原文があります。「道具」です。あれも猛々しいときは攻撃的容貌を備えてますが、ひとたび愛欲に溺れた後は、もうすっかりしょぼしょぼですよね。武装解除っす。この絵のアレス同様、ぐったりばったり、ぐーすかぴーです。これもこれで平和的なので僕は何も文句はありません。

さて、このボティチェリの絵にデザイン的に酷似している絵があります。次のヤツです。
cosimo_Venus_and_Mars.jpg

Cosimo 「ビーナスとマーズ」

なんだか、アレス(=マーズ)がなよなよしてて気持ちワリ~(笑)虫や鳥がうるさそう。

ウサギがいます。アフロディーテの脇のところ。ウサギは、何かで読んだのですが、好色、セックス好きのヤリヤリ~というイメージがあるらしいです。英語のポルノでは、hump like a rabbitという表現が出てきます。この場合のhumpとは、「ハッ!ハッ!ハッ!」と体をせっせと動かす意味です。「ウサギのように好色にハッハッハッと励む」ということです。さらに、子を生むという意味のbreedというのもウサギと一緒に使われて、breed like a rabbitというのもあります。「たくさん子供を産む」という意味になるはず。この絵のウサギはアフロディーテにピストン運動お疲れ様と言ってるんでしょうか? だったら、アレスに言ってほしいよね。もうぐったりで・・・。

プレイ・ボーイのバニー・ガールのバニー(bunney)ちゃんはウサギですが、なんでウサギなんでしょ? ウサギのイメージがもとにあって「好きそうな女の子」ということで? そうかも。

この絵では幼児のエロス(=キューピッド)たちがアレスの武具で遊びまくってますが、それは次の絵でも同じですね。
carlo.jpg

Carlo ???

どうして男女の愛欲シーンなのに子供をこうもわんさか書き込むんでしょう? そういえば江戸期の春画にも子供が脇の方でうろちょろしている絵がたくさんある。確か「豆すけ」とか言う名前じゃなかったかと。なんでなんだべが? 次の絵も似たような絵。
poussin-nicolas1628_Mars_and_Venus.jpg

プーサン 1628年 「マーズとビーナス」

これも子供うじゃうじゃ。右側にいる男女は誰なんだろう?

さて、いかにも「武装解除」という名にふさわしい絵画が次。
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ダビッド 1824年 「ビーナスと三美神に武装解除されるマーズ」

このダビッドという画家はフランスのアカデミーの重鎮だった人らしいです。きっちりがっちり古典を学べと正統派路線を推し進めた人で、芸術に必須と思われる逸脱とか、新しい創意とかに対抗した人らしいです。そのダビッドの遺作。古典路線の意地を見せた作品とか。三美神の顔の表情とか、わざとらしいなあとは思いますが、アフロディーテ奥様の背中とお尻の線がとてもとてもとてもエロいので僕は許します。アレスはお酒を持ってこられたり、アフロディーテ奥様にお花をもらったりしているうちに、武具をすたこらさっさと片付けられてしまってますね。アレスの股間の前で鳥がいちゃいちゃしてますが、これはゼタイ、くすぐったいと思います。

そいでもって、最後にこれ。
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ベロネーゼ 1570年 「アレスとアフロディーテ」

なんだか戦いから帰ってきた兵士の休息といった感じで、あーこーがーれーるぅ! エロスが茶目っ気をだして二人の足を紐で結んでいます。アフロディーテ奥様の表情も嬉しそう。ううう、こんな愛情満々のラブラブ・カップル状態を見せ付けられたら、我等がヘパイストスは出る幕ありません(しくしく)


アフロディーテ(7):お昼寝奥様

さて、今回はこの絵。

giorgione.jpg

Georgione 1504 "Sleeping Venus"

ルネッサンスに入り、裸体画がおおっぴらに描かれるようになってビーナスも盛んに描かれるようになります。 で、このジョルジオーネという画家のビーナス像は古典中の古典となった絵らしいです。

その後、この「横たわるビーナス」という主題で、いくつも絵がかかれることになりました。上品で、均整がとれた綺麗な裸婦絵だと思います。ちゃんと股間を手で隠してます。自慰をしているのとは違うようです(笑)。

さて、しかし、僕の関心はやはり、愛欲の女神であり浮気し放題のアフロディーテ(=ビーナス)を妻に持った夫のヘパイストスにあるのでした(笑)。

彼はどのような神だったのでしょうか?

その前に、大雑把に神々の系譜をおさらいしたいと思います。

ずっと前に、アフロディーテの誕生のところで、ガイア(大地)とウラノス(天)の交わりの話をしました。 あんまりウラノスのセックスがしつこいのでガイアは嫌気がさして、子供のクロノスにお父さんであるウラノスのペニスを切断させたこと。その切断されたペニスが海に落ちて、白濁が泡となり、その中からアフロディーテが生まれたこと。そんな話でした。

このお父さんのおちんちんを切っちゃったクロノスは、姉のレアと一緒になり、これまたたくさん子供を作ります。だが、予言により、クロノスは自分の息子に王位を奪われると知る。

そこで、クロノスは何をしたかと言うと、なんと生まれた子供を次々に食べちゃうのでした。ひどい話です。これには妻のレアも怒りを感じ、せめて末っ子のゼウスだけは助けてと、策略をめぐらせます。大成功、ゼウスは食べられませんでした。

さて、ゼウスは成長しました。そして、兄弟たちを助けに向かいます。まず、父のクロノスに毒を盛って、飲み込まれた子供たち、つまりゼウスの兄弟姉妹を吐き出させます。

次に、父方一派と戦争を起こします。10年近く戦いをし、結局、ゼウス一派が勝利、世界を治めます。

その後できたゼウス体制の世界は、神々の合議制世界でした。そのメンバーはクロノスとレアの子供たちと、ゼウスの子供たち(の一部)から成っています。

・まずはクロノスとレアの子供たちから

ゼウス : 大ボス。エロ親父。
ヘラ : ゼウスの姉であり、ゼウスの正妻。
ヘスティア : 「かまど」の意味の名。家事の神。
デメテル :  穀物の女神。
ポセイドン : ゼウスの兄。海の神。
ハデス : ゼウスの兄。冥界を担当。

・次にゼウスの子供たち

アテナ : ゼウスの頭から生まれた知性と戦略の女神。永遠の処女。
アポロン : アルテミスと双子。予言、音楽、医術、弓術などの神。
アルテミス : 山野を支配する狩りの女神。
アレス : ゼウスとヘラの息子。戦いの神。頭悪し(笑)
ヘパイストス : ゼウスとヘラの息子。あるいはヘラ単独の息子。工芸・鍛冶の神。
ヘルメス : 商売、旅行、泥棒の神。ゼウスの連絡役。

・ちょっと関係なさそうな神

アフロディテ : 彼女については省略。
ディオニソス : 酒の神。新興宗教の教祖。変人。

だいたい、こんなメンバーでお話が進みます。彼らはオリンポスの12神と呼ばれています。12人になりませんが、そういう細かいことは突っ込まないほうが良いのかもしれません。 なかなかヘパイストスの話に進みませんが、一応の前提事項の確認でした。

ーーーーーー

ちょっと、一休みしてアフロディーテ奥様のお姿を拝見することにしましょう。

tizian_venus_of_urbino.jpg

Titan 1538 "Venus of Urbino"

見て分かるように、このティチアーノの絵は、先のジョルジオーネの絵をモデルにしてます。目を見開いてこっちを見ているのが、かえってそそられます。顔的には、個人的にこっちの方が好きです。まだ手で股間を隠してますね。後ろの方では子供は何をしているのでしょうか?

かようにお昼寝が好きなアフロディーテ奥様ですが、一方の、ご主人のヘパイストスは、オリンポスの他の神々が遊んでばかりいるのに対して、一日中、働いてばかりいるまじめ男です。鍛冶場で煤にまみれ、汗をかきながら、働きつづけているのです。基本的に働くのが大好きな男なのです。そして、技術も備えている。人間の最初の女性であるパンドラを作ったのも彼です。彼の作業場には、ロボットのような自動人形もいたと言います。言うなればワーカホリックの有能エンジニアのようなヤツです。

で、その間に、アフロディーテ奥様は、彼の兄のアレスの情婦となったり、他の男たちと愛欲に溺れているんだから(笑)。ヘパイストスには、かなり親近感を覚えますね。

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また、休憩タイム!

vecchino.jpg

Vecchino Title unknown

もう股間を隠すのはやめてしまったみたい(笑)。

さて、ヘパイストスは、醜い男とされています。神の中で一番醜い。また親近感を覚えます(笑)。 しかも、「足曲がり」とされています。

どうしてヘパイストスは足が悪いのか? これには二つ説があって、ひとつは英雄ヘラクレスを巡って父ゼウスと母ヘラが夫婦喧嘩をしたとき、ヘパイストスは母の味方をして、ゼウスの怒りを買い、両足を持ってぶん回された挙句、遠く海のかなたに投げ飛ばされ、着地が悪くて足を曲げてしまったと言う説。

もうひとつは、実はヘパイストスは母ヘラが、ゼウスがアテネを一人で生んだのを妬んで、彼女一人で産んだ子供であったのだが、生まれた子があまりにも醜いので、ヘラが彼を崖から突き落としてしまい、それが元で足が曲がってしまったと言う説。どちらにしてもひどい話です。

女遊びばっかりして、家では威張ってばっかりいるバカ親父の暴力に震える子供、あるいは浮気な亭主にヒステリックになった母親に虐待された子供です。アダルト・チルドレンですよ、ヘパイストスは。「足曲がり」というのも、象徴的であって、実は精神的トラウマを背負っていることを表しているような気さえしてきます(深読みしすぎ:笑)。

そんな、神々の中でも「何か」を背負っているような感じのヘパイストスが最高の美人のアフロディーテを妻にし、さんざん浮気される。なかなか、神話も深いものがあると思いました。

暗い話だったので、最後もお口直しでアフロディーテ奥様のお姿を。

tizian_venus_pianist.jpg

Titian "Venus and a Pianist"

もう隠すも何も、すっかり覗かれ放題じゃん(笑)

神話以外の話(1):覗き屋トム

全然ギリシャ神話と関係のない話題を一つ。まずは次の絵を。
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コリエー 「ゴディバ夫人」

「覗き屋トム」と言う言葉があります。英語でPeeping Tom。英語で覗き屋のことをこのように言います。「ピーピング」は覗きの意味ですが、じゃあ、なんで「トム」なんだろう。

これには次のような由縁があるそうです。

11世紀頃のイギリス。カベントリという町での話。イギリスのちょうど真ん中辺りにある町らしい。 その町の領主がレオフリック(Leofric)という人でした。いやなヤツで町の民衆に多額の税金を課そうと考えます。それを聞いて怒ったのが、このレオフリック領主の若奥様。ゴディバ(Godvia)様といいます。けなげにも、こんなことを言ったのでした。

「そんな税金をかけたら町のみんながかわいそうですわ。やめてください。ホントにそんな税金をかけたら、アタシ、裸になって町を馬に乗って歩きますですわよ!!!」

で、このレオフリック、どうしたかと言うと税金上げちゃうんです(大笑)。 僕はその理由を考えました。

(1)本当に財政が苦しかった(奥様に嫌われてもしょうがないという火急の状態だった?)
(2)サディストだったので、美人奥様に対する羞恥責めの一つ(うふふ、イジメがいがあるぜってか?)
(3)露出する奥様を見て楽しむ「妻物好き」の嗜好があった(笑)

この絵のイメージからは(2)ですね。ともかく、増税を実施したレオフリック。言った手前、約束を必ず実行しなければならない民衆の味方のゴディバ奥様。ああ、お可哀想な若奥様!

民衆はゴディバ奥様に感謝しました。「ウヘヘ、ただで若奥様の裸を拝めるぜ・・・」って感謝だと思ったら大間違い。やっぱ、イギリス民衆はきまじめです。

「みんな、奥様が馬で町を歩くときは、家の中に閉じこもって、奥様を見ないようにしよーな!」

と、すこぶる正しい連帯ネットワークを張ります。

ところが、とある仕立屋のトム君! 好奇心には勝てないんですよ。俺と同じだ。ただ一人、奥様が裸で町を行くところを覗いてしまったのでした。

彼トムの見た光景が上掲の画像です。トム君、結局、町のみんなに袋叩きにされてしまいます。これもちょっとかわいそうですね。当然な好奇心だと思うのに。

ともあれ、そういった卑劣な人物という意味も込められての「ピーピング・トム」という言葉でした。

ちなみに高級チョコレートのゴディバ。ゴディバ夫人の絵がそのトレードマークになっていますね。どうしてチョコレートとゴディバ夫人が関係するんだろう・・・?
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